2人が本棚に入れています
本棚に追加
『社会の許されざる敵』は、あっさりと頑強な捕獲檻に囚われてしまった。
連日、『魔犬』報道で戦々恐々していた人々は安堵したのと裏腹に、『魔犬』は保健所の収容所の檻で処分されざる犬達と混じって、刻々と迫る『安楽死』という名の『処刑』の時を待つ身となった。
ワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワン!!
キャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャン!!
ワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワン!!
キャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャン!!
糞とおう吐で汚れた檻の夥しい数の『不用犬』の命乞う悲しい叫び声・・・
ワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワン!!
キャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャン!!
ワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワン!!
キャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャン!!
『魔犬』は初めて本当の恐怖を覚えた。
手足が震え、片隅で怯えていた。
そして、これは自らに課せられた罰であることを。
自らの今まで人間を殺めてきたことへの懺悔と、今ここで命を終える事への因果応報を・・・
ワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワン!!
キャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャン!!
ワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワン!!
キャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャンキャン!!
最初のコメントを投稿しよう!