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絡まる鍵 guilty feeling
1月2日。
寒空の下、俺は懐かしい場所にいた。
目の前の家に、インターフォンも押さずに入っていく。
押さないのは当たり前だ。
俺の実家なんだから。
帰ってくるのは1年ぶりだ。
芽衣は元気だろうか。
リビングのソファに座ると、
慌てて階段を駆け下りてくる足音が聞こえた。
「お、お兄ちゃん!?」
「ただいま、芽衣。元気そうだな」
「ちょっと、なんで帰ってきたの!?聞いてないんだけど」
「だろうな。父さんたちが言うなって言ってたからな」
「え・・・?」
年が明ける前、父さんから電話があった。
1月の2日3日、芽衣が一人きりになるので実家に戻ってきて欲しいと。
芽衣が心配というより・・・
芽衣が男を連れ込まないか、心配らしい。
「父さんから電話があったんだよ。母さんとおじいちゃんの家に行くから、その間実家に戻ってきてくれって」
「嘘・・・」
「いろんな意味でお前が心配なんだろ」
「いやだって、あたし21だよ!留守番くらいできるって」
芽衣がアタフタしながら叫んでる。
この態度、本当に男を連れ込む気だったんじゃないか。
「ねえ、お兄ちゃんお願い!悪いんだけど、出て行ってくれない?」
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