七 木曜日

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七 木曜日

「とっても美味かったです?」 「へっ?」  食堂に着くまで我慢できずに、箱を抱えた都築さんに小声で叫んだ。驚いている都築さんの前のドアを開けて食堂に招き入れながら、声が大きくなりすぎないよう注意して昨日の感動を吐き出していく。 「昨日、さっそくお昼にいただいたんですけど、想像以上に美味くて! これは炊きたての白飯で食いたいってなって、久々に自宅で飯炊きました」 「えっ、そ、そんなにすか?」 「そんなにです!」  昨日の昼は弁当のおかずもカレーもあったので一口で我慢し、昨晩と今朝はひたすらふりかけご飯を堪能した。勢い余って食べ尽くしてしまったので、既に在庫がないのが寂しいくらいだ。  正直、こんなにテンションが上がったのは久しぶりで、少し疲れた気すらする。しかし、この感動は伝えなくてはと謎の使命感が僕の口を動かした。都築さんに引かれるかも、と若干の懸念はあったが止まらなかった。 「そっか……よかったぁ」  ひとしきり賛辞と感謝を話し終えて顔を上げたら、都築さんがふにゃりと笑った。照れと喜びが半々くらいの、幸せそうな笑顔だ。思わずドキリとして、そこまで喜ばれるほどのことを言っただろうかと恥ずかしくなる。     
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