七 木曜日

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「とんでもない! すっげー嬉しいです!どこのスーパーでも全然見ないから、もうなくなったのかと思ってました」 「僕も、ここら辺だとコレ買ったとこ以外で見たことないです」 「えー、いいなあ。今度教えてください、売ってるとこ」 「それは構いませんけど……代わりに買ってきましょうか?」  互いの家の場所など知る由もないが、わざわざ飴のために特定のスーパーに行くのも面倒だろう。普段から思い出した時に買っているものだし、ひとつ買うのもふたつ買うのも大差ない。  善意のつもりで申し出たのだが、都築さんはいい顔をしなかった。目を泳がせて、少し困ったような顔で頬をかく。お節介だっただろうか。 「あ、そうだ。じゃあ、物々交換にしませんか? また何か作ってきますよ、おれ」 「え? そんなわけにいきませんよ。あんな、売っててもおかしくない料理と飴玉の交換なんて釣り合わないです」 「でも、おれも自分の食事のついでに作ってますし」 「そういう問題じゃないでしょう。本当なら飯でも奢りたいくらいなのに」 「えっ」 「え?」  そんなに驚かれるようなことを言っただろうか。店で買ったわけではない、誰かの手料理が久々過ぎてテンションが変になっている可能性は否定しないけれど、美味いと思ったのは本当だ。     
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