七 木曜日

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 感謝の言葉が足りなかったのかと口を開こうとした時、都築さんに遮られて本題を思い出す。 「いや、えっと、そう! 飴玉関係なくなってるなーって!」 「あ。そういえばそうですね」 「あの、本当にお構いなく。喜んでもらえただけで、すっげー嬉しかったんで。これも、大事に食べますね」  ありがとうございますと頭を下げて、都築さんが踵を返す。仕事に戻っていく背中を見送りながらかける言葉を探すけれど、なんと言っていいのかわからない。  言いたいのは礼だろうか、それとも、他の何かだろうか。 「飴、なくなったら。また何か持ってきていいですか?」  都築さんがエレベーターに乗り込んでドアが閉まる直前、真剣な顔で聞かれた。 「っ楽しみにしてます……!」  とっさに返した言葉が正解だったのか自信はなかった。けれど、都築さんは笑ってくれたから、きっと間違いではなかったのだと思う。
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