九 月曜日

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九 月曜日

「あ、都築さん。おはようございます」 「おはようございます。どうぞって言われて入ってきちゃったんですけど、こっちにいらしたんですね」  そろそろ十時になろうかという頃、食堂で都築さんを出迎えた。離席している時は他の人間が対応することがほとんどだから、少し新鮮だ。  都築さんが机の上に箱を置いたタイミングで、僕の背後から後輩が顔を出す。 「お弁当屋さんですか?」 「はい。いつも受注と配送をしていただいている都築さんです。都築さん、こちらうちの社員の草町くんです。週三くらいで注文してくれてますよ」 「どうも、いつも美味しくいただいてます」 「こちらこそ! 毎度ありがとうございます!」  草町くんは昨年の新卒で入った子で、現場で検査や校正をしている。部署が違うので、今のように新しい軍手が欲しいだとか、発注関係とかくらいしか話す機会はないが、歳の近い社員はお互いに貴重だ。時折だが、昼休みに相談を受けたり、雑談したりもする。  大人しい子だけど、人見知りというわけでもない。あれが美味しかったとか、どれがオススメかとかを楽しげに話している。     
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