九 月曜日

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 と、思う。草町くんはあまり表情が変わらないからわかりにくいけど、都築さんは楽しそうだ。 「どうかしました?」  僕の視線に気づいた草町くんが首を傾げ、つられる様に都築さんもこてんと頭を傾けた。かわいい、なんて言ったら二人とも気分を害すだろうか。  不自然にならないようにと思うけど、やっぱり顔は緩む。口元を手で少し隠し、当たり障りなく、一応頭の隅にあったことを口に出す。 「僕より、草町くんの方が都築さんと歳近いよなと思って。話す機会ないの、もったいないっていうか、なんていうか」 「たまにお見かけしますよ。元気に挨拶してくれますよね」 「それくらいしか取り柄なくて。実は、ちょっとお話したいとは思ってました。草町サン、おいくつなんですか?」 「二十三です」 「あ、本当に近いですね。おれ今年二十二です」  今時、元気に挨拶すらできない人も結構いるのだから立派なことだ。などと思っていたら思わぬところから衝撃がきた。  そっか、こないだ大卒だもんな。つーか都築さんもそんな若かったのか。二十歳くらいだろうとは思っていたけど、実年齢を聞くと本当に若いんだなと実感して、思わず顔を覆ってしまった。今まで話す機会が少なくて話題が無難だっただけで、これはジェネレーションギャップに驚愕する日も近そうだ。     
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