九 月曜日

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「どうしました?」 「いや、若いなあと思って……」 「都築さん、二十六くらいじゃありませんでしたっけ。まだ全然若いじゃないですか」 「草町くん、それはキミが入社してきた時の話だよ。こないだ誕生日過ぎたから、もう二十八」  そりゃあ、平均年齢が四十五歳オーバーの社内では若い方だ。下から数えて五番目くらいなのも嘘ではない。  中途採用の多いうちの会社は毎年新卒を採るわけではなく、それも平均年齢を上げる要因ではあるが、二十代は本当に少ないのだ。その少ない二十代の中でここまで差があると、僕も歳をとったなと実感する。  そして、今の草町くんのように驚いた顔をされると若干傷つく。 「五歳上……?」 「ごめんな、カッコいい大人じゃなくて」  童顔気味なのは自覚しているが、そんなに信じられない、って顔しないでほしい。顔はともかく言動は年相応のつもりだし、いよいよ三十路が見えてきても学生に間違われるのはどうかと思ってるんだ、自分でも。  同級生にはもう何人も子どもがいるやつもいるのに、僕はいつまでもパッとしない。ため息が出そうになった時、横から悲哀に満ちた声がした。 「誕生日、過ぎちゃったんすか……」 「え? うん……え? なんか、ごめん?」     
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