146人が本棚に入れています
本棚に追加
/57ページ
あまりにも急な変化だったものだから、驚きと困惑で愛想笑いがひきつる。口を尖らせて、視線を合わせないその顔は、つい最近見た覚えがあるものだった。
「さん付けやめてくれたら話します」
「えええええ……」
「じゃ! また明日!」
あっかんべーでもしそうな勢いだった。実際にはしていないし、手にはしっかり受領書を回収しているのだが、つかの間、小学生に見えた。
しっかりしているのに、時々子どもっぽくて、少し強情。ここ数週間でギャップに振り回されている。
困っていないと言えば嘘になるけど、憎めない。短所というよりは、彼の魅力だと思う。
「都築くん、か……」
人前でなければ大丈夫だろうか。呼び分けできる自信がなくて、苦笑が漏れた。
最初のコメントを投稿しよう!