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都築さんが見やすい位置に掲げてくれたので、瓶いっぱいに詰まったピクルスを色んな方向から眺めてみる。どんな味がするんだろう。
「やっと笑ってもらえました」
言われて、頬が緩んでいるのを自覚する。色々考えていたはずなのに、目の前のうまそうなものに完全に意識を持っていかれていた。食欲というか、本能は正直だ。
子どもみたいな反応を都築さんは笑わないだろうけど、年上としては少々恥ずかしい。おずおずと姿勢を正して距離を取る。
「よかったら、食べてほしいなと思ってるんですが……受け取って、くれますか?」
聞かれてしまうと断りにくいし、昨日の話が脳裏でぐるぐるし始めてしまって受け取りにくい。下心があるのかないのか、確信もない。
どういう顔で、どう答えればいいのかわからなくて、うつむきがちに聞き返した。
「……もらって、いいんですか?」
「もらってほしくて、作ってきたんですよ」
そう言って、都築さんが優しい顔で笑う。こういうのはイケメンでいいのか。カッコいいっていうか、かわいいっていうか、言葉が見つからないけど、とにかく心臓に負担がかかる笑顔だった。
自分のために料理してくれて、食べてってこんな風に笑われたら女の子なんてイチコロだろうな。僕相手にこんなことしてていいのか、都築さん。
勘違いじゃないって、思っちゃうぞ。
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