おひるやすみの恋

十七 木曜日

　芽吹いて、育って、実って、熟したら。都築さんは大事そうに収穫して、美味しく料理して、残さず食べてくれるんだろう。一緒に育てて、一緒に食べることはできるだろうか。
　何かを一人で育てるのはちょっと自信がないけれど、都築さんがいてくれるなら、なんとかなりそうな気がする。
「今までよりずっと料理が楽しいんです。板井さんにいつか食べてもらおうって思ってるからかな」
　照れたような笑顔に呼ばれて、種が芽吹いた。