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「おれは、料理好きですけど……一人だと、サボっちゃおうかなってなる時もある、かなーとか」
「ああ。ありますね、そういうの」
現場は忙しいし、管理部は主婦も多いので会社の飲み会は滅多にない。昼の食堂以外で、最後に誰かと食事を摂ったのはいつだったろう。
そもそも食堂でもそんなに人と話したりしないな、と普段の昼休みを振り返っていると、じいっと物言いたげな視線を感じた。軽く見上げた先には都築さんがいる。そういえば、この子は僕より身長が高い。僕だって平均くらいの体格だけど、今時の子の平均身長はどのくらいなんだろう。
「えっと」
「あ、はい」
「また、お話させてもらってもいいですか」
弟って、こんな感じだろうか。年の離れた姉が一人いるだけだからか、弟の存在に憧れていた時期もあったっけ。
「もちろん」
精いっぱい兄貴面のつもりで笑って見せると、都築さんも嬉しそうに笑ってくれた。
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