十八 金曜日

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 ほんの少し上向けば、目と鼻の先に都築くんがいる。逃げずに僕を見てくれてる。嬉しくて、こつんとおでこをくっつけた。 「僕も、都築くんが好きだよ」 「……ほんと?」 「ほんと」  不安そうに確認するくせに僕の答えに幸せそうに笑うから、今更恥ずかしくなってくる。今日の目標はあと二つ。ここで羞恥心に負けるわけにはいかない。んだけど、顔熱い。あんまり見られたくないけど、これ以上この距離無理だ。  詰めた距離を元に戻して、意識的にテンションを上げる。悪いけど、後々見なかったことにしてほしいです。 「で、でさ! 都築くんのこともっと知りたいし、都築くんが作ったお弁当持ってどっか行きたいなーとか思ったんだけど……どう、かなー」  だんだん声が小さくなっていく。いきなり図々しい自覚はあるし、やっぱり恥ずかしいし、ノープランで誘うっていうのは賭けだよなって自分で思う。  好きだと思うし、好かれてるとは思うけど、現実として年の差はどうしようもない。六年もあったらい小学生だって卒業しちゃうんだ、世代が違う。  今時の若者である都築くんが、どこに行って何をしたら楽しいのか検討もつかなかった。どっか行こうって言ったけど具体的な案があるわけじゃないから、これから相談したいのが正直なところだ。 「気合いいれて作りますね、弁当! 」     
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