一話

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「お客様、お待たせしましスイーーーーツ。」 冷たく冷えた皿に、そびえ立つケーキがのっていた。 「これは、洋菓子店マウンテンパンプンキンのモンモンモンブランではないか。」 バカな?コンビニでこの甘味が食べれるだと? な、何が起きているんだ、その店主は二年前に店をたたみスイーツの山を探しに行く旅に出たはず、ここで働いているのか? 「いや、真似して作っただけの、偽甘味かもしれない。」 ワシは一口食べた。 「あ、あ、あーーーー天晴れ、最高の5天晴れだーーー。」 本物だ、まさかこんなところで。 「お待たせしまスイーーーーツ。」 店員がテーブルに皿を置いた。 「こ、れ、は、のきさかの老舗、甘味処、虹の河の七色おはぎ。」 またか、百年前から営業していた甘味処で和菓子を中心とした品揃えで有名だった、その先代が亡くなるまで作っていた、伝説の七色おはぎ、ワシが甘味男爵を名乗り始めた頃に食べて、初めて5天晴れを与えた甘味。 見て直ぐにわかる、本物だ。 何故?コンビニでこれ程の甘味が。 その後も店員が持ってくる甘味はかつてワシが5天晴れを出した品ばかりで、ワシの頭の中は美味しさと思い出でいっぱいになった。 スイーツコンビニ、総甘党、正に甘味の走馬灯。 全てが天晴れだーーー。 「ありがとうございまスイーーーーツ。」 ………
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