そして、あなたを思い出す

結婚

付き合い始めてしばらくして赤ちゃんができた。
もちろん結婚という話が出たが、その後すぐに流産してしまう。

もちろんそれから結婚という言葉は出なくなったが、その後四度の流産を繰り返し、彼から出た言葉は「流産の責任を取って結婚するよ」

それだけだったが、好きで一緒にいたので承諾した。

もちろん結婚式もなく、写真さえない。

お互いの家族に挨拶だけ済ませ3LDKのコーポを借りて、電化製品などは彼が。
最初のアパートを借りる契約金や保証金などは私が出して、何とか部屋も出来上がり、引越しをして初めての夜。

「俺、暑がりだからこっちで寝るから」

そう言って布団をリビングに持っていった。

六畳の洋室と和室が一部屋ずつ。
四畳半の和室が一つ。

六畳の和室と四畳半の和室は繋がっており、その横がリビングダイニングのLDK。

初めての夜に、既に別々の布団で寝る生活が始まった。