2度目の事故

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「やっと出てきたよ、ほら」 そう言って手に乗せた小さな小さなパール色の箱をロビースタッフに見せてみる。 すると、スタッフは急ににこやかな顔になり、こう言った。 「やっぱりご結婚なさるんですね。社内の間ではどこの部署も社長の結婚の噂を聞いていたようで、ハワイ支店に目撃情報が出たら問い合わせがすごいんですよ」 なんだ、俺にはそんなにファンがついてるのか。それじゃまるで追っかけじゃないか。 「ブライダル業界ナンバーワン社長はお客様の結婚をお祝いし過ぎて自分の結婚運を失われてるんじゃないかってみんなで心配していましたから」 「……」 どういう意味だ、それは。 「うははははっ……。なんだと?俺はな、公私を差別できる男だぞ。自分のプライベートを仕事に持ち込まず、ホテル・セナの社長としてではなく、瀬名唯生として陽菜を愛しているんだ。……それを結婚運とかなんとか言いやがって!!」 「それはっ大変失礼しました。皆にもそう伝えておきます」 「あぁ、もういい。わからない奴には言わせておけ。じゃあ後頼むな」 ……そう思われていたのか。自分が陽菜と結婚できないなんて考えたことも無かった為、そんな考えに至ることも無かったが…… 「そうなのか、俺は他人の幸せを祈りすぎて……あぁなるほどな」
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