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それで、仕方がなく私はお肉とビールを取りに、その場を立ち去るのでした。
風が緩やかに、暑い湿気を含み、蝉の声がジージーと鳴り響く。
備長炭でジュウジュウと焼けて行くお肉を取りわけ、私は、その場にいた別の男の人とおしゃべりを始めてしまったのです.....。そして、ふと気づくとKAZは、先程の席にはもういませんでした。
焦る私。冷や汗が出て
慌ててキョロキョロと見渡す。
そして、ようやく見つけたKAZは、
....なんと、もう、帰ろうとしていました。
目の前の男性との会話を適当に切り上げ
ダッシュでKAZの元へ駆け寄り、
声をかけた。
振り返るKAZは、気の無い顔をしていた。
河原沿いの爽やかな風が、
私と彼の間を、心地よく通り抜けて行く。
このままでは、きっと私の事など
彼はすぐに忘れてしまう。
焦った私は、少し大胆な行動をしました。
思い切って
彼の耳元まで、口を近ずけて
囁やいてみる。
「facebookで、メッセ送りますね。」
驚き、私の方へ振り向いた彼
確実な手応えを感じた私
心の中で、やった! と叫んだ。
KAZは1人で河原の土手の上まで登り、やがて、揺らめく草むらの影に消えていった......。
その夜、私はfacebookで彼の名前を見つけ友達申請をして.....
そのまま、メッセは送らず、静観をしていました。
私の事を、気にかけて欲しい。疑問に思って欲しい。そのまま、彼が私の事に興味を持ってくれるのを、待ちたかったのです。何の取り柄もない私を、気にかけて、声をかけてくれたならば。。。。。
3日後、
痺れを切らした私は堪らず
KAZの過去の投稿に「いいね」を押しまくっていました。
...そして、1週間後。
奇跡が、起きたのです。
「こんばんは、この前河原で会ったナツさんですよね?違っていたらスミマセン」
なんと彼から、返事が来た!!!
やった!と心臓が飛び跳ねる私。
身体が喜びに震え、気がおかしくなりそうになりました。
...........でも即答せずに
1日置いて、返事をするのです。
「はい。私はナツです。先週はお会いできてとっても嬉しかったです。楽しい会話をありがとうございました!」
と返事をしたのでした。
それが、私達の出会い.....
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