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「浮かない顔をしているね」サングラスをした男が、1人でランチを食べているエス氏に突然話しかけてきた。
「あ、あなたは」エス氏は周囲を見渡した。
「久しぶりだね。10年くらい経つかな? さっき偶然見かけてさ、後をつけてきたんだ」
「そうなんですか」
「調子はどう?」男はコーヒーを口に含んだ。
「はあ……」エス氏は肩を落とした。「憧れていた一流企業には入れたんですけど、結局実力が追いつかないんですよ。まったくの落ちこぼれです。印象の良さだけで不相応の会社に入ってしまったんでしょうね」
「そうかい」男は軽く頷いた。
「そちらはどうですか?」
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