1人が本棚に入れています
本棚に追加
エス氏はムッとした。余計なお世話だ。確かに20連敗中だったが、見知らぬ男に指摘される筋合いはない。
「だったら何ですか?」エス氏はテーブルに広げていた会社のパンフレットやノートをカバンに入れた。いつでも店を出られるように。
「助けてあげようか?」男は足を組んでタバコに火をつけた。
「結構です」
「どうして? 困ってるんでしょ。就職活動というのは印象が全てなんだよ。会社側からすれば結局のところ、初対面の学生を判断する材料はそれしかない。君にその印象を授けてあげたいんだ」
「どうやってですか?」エス氏は男の迫力に押され気味だった。
「この新聞を見てみな」
最初のコメントを投稿しよう!