話すことの出来ない彼女

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 僕は小説を書いている。僕が小説を書き始めておよそ1年になる。   書く小説は、始めはフェンタジー系と言われるジャンルを書いていたが、続かなかった。  異世界だの、人が他の生物に変異したりするのに、僕の思考はことごとく追いついていなかった。  そもそも、異世界の世界となるステージは霊界であったり、人が変異すればそれは化け物で、ステージに合わせると幽霊になってしまう。挙句の果てはファンタジー小説を書いたつもりが、ホラー小説に早変わりしている有様だった。  そんな短編、中編小説が数点。自分でもあまり読み返す気にもなれなかった。  それもそのはず、今まで僕が読んでいた小説やアニメなんかは異世界が舞台となるストーリーばかりだったからだ。  それでも、ネタ探しはいつもしていた。  無論、図書館の常連であることは言うまでもない。そこに彼女は、いつもいた。  学校が終わり、いつも電車を途中下車して行く、学校から少し離れた図書館。  僕のいる市は大きく東と西に区別されている。いつも利用するのは西区図書館。  帰る途中の駅にあるのと、東区図書館より本が充実しているからだ。  小説を書き始めた頃から通い始めた図書館。実はその時から美野里が図書館にいつもいるのを知っていた。     
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