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そして僕ら二人を見て
「お前ら何やってんだ。早く座れ」
担任は激を飛ばし僕らを座らせた。
まだ顔が熱い、体は小刻みに震えている。殴られた頬はズキンと痛みを増していた。
ホームルームが終わってから、クラスの奴らにわんやわんや言われたが、もう一人の相手、冨喜摩の姿はもうなかった。
すぐに図書館にも行った。でも、美野里の姿はなかった。
携帯を取り出し美野里にメールを送信した。
***亜咲達哉
さっきはあんな事なってごめん。図書館にもいないけど今何処
***
美野里から返信が来た。
***冨喜摩美野里
公園。あんな事言われたら、亜咲君の顔見れないよ
***
すぐさま公園に向かった
そこには、あの時と同じベンチに座る美野里の姿があった。
「冨喜摩」静かに声を掛けた。
彼女はゆっくり顔を上げる。その顔はつい今しがたまで泣いていたことが解る赤い目をしていた。
「冨喜摩ごめん。また傷つけてしまった」
彼女は下を俯き黙っている。
「でも、あの時言った事は本当の事。あんな形で冨喜摩に伝えるつもりはなかったんだ」
彼女は鞄からノートを取り出し
「嘘つき」
見開きに大きく書いた。
「う、嘘なもんか」
僕が否定すると、彼女はさらに
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