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「まだ決めていない」こればかりだった。
出来ることなら、美野里と同じ大学に行ければ、もし違ったとしてもお互い近くであればいつでも会える。もしかしたら一緒に暮らせるかもしれない。そんな淡い想いを抱いていた。
僕は、美野里とこれからもずっと一緒に……
そんな想いは突如引き裂かれた。
夏休みもあと数日となったある日、美野里からメールが来た。
***冨喜摩美野里
達哉、風邪引いたみたい。体調悪いから今度は学校で会いましょ。
***
その時は、なぁんだと軽い気持ちで返信をした。
***亜咲達哉
腹出して寝てたんだろ。解ったしっかり治せ。
***
そうやって返信をした。
そして夏休みが終わる2日前。美野里からメールが来た。
***冨喜摩美野里
公園に来て
***
ただ「公園に来て」とだけの
急いで行くと美野里はいつものベンチに座っていた。
「美野里、外出て大丈夫なのか」
美野里は俯きながら小さく頷く。
「どうしたんだ」
美野里は鞄からモバイルノートを取り出し、イヤホンを僕に渡した。
イヤホンを耳に付けると
「達哉、ごめん。……別れよ」
一瞬耳を疑った。
「どうして、どうして美野里」
美野里はタイプをする。
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