話すことの出来ない彼女

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 でも、あなたはこれから今以上に明るい、輝ける舞台に立てる人です。  私はあなたの重荷にはなりたくない。  達哉、あなたが描く小説。あなたの言葉、あなたの想い、全てが今、そしてこれから生き様としている。  あなたは何も感じていないでしょ。だって達哉は恋愛にとても疎いもの。  あなたの描く恋愛小説。  私は好きです。  あなたの描く一文字一文字、そしてあなたが描く世界。  私は好きです。そして、多くの人があなたの描く世界を好きになるはずです。  私は、あなたの思い出を胸に、将来作家になることを目指します。  もし、私の小説が書籍化されたら読んでくださいね。貴方に負けないくらい成長した私の姿を……  達哉、ありがとう。私に夢と目標を与えてくれた人。  亜咲達哉へ。  冨喜摩美野里。  その後、彼女からの連絡はなかった。そして、僕も連絡はしなかった。  僕はこの時、誓った。  作家になると。  そして、反対を押し切り、志望大学を変えた。  文系の大学へ  彼女、冨喜摩 美野里の本が書店に並んだのは、僕が一年遅れて大学を卒業する頃だった。  「私に声をくれた人」第○○回○○○賞受賞 冨喜摩 美野里 「初めて出した彼女の声は 天使の囁きだった」  初めて美野里が自分の声を出した瞬間だった。 
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