彼女を描く

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彼女を描く

***お互いに***       Ⅰ ***彼女を描く***  あれから僕は、沙織さんと学食へお昼を食べに行くようになった。無論ナッキこと、美津那那月が同伴である事は言うまでもない。    ここの学食は昨年リニューアルをして、まるでどっかの外資系企業のラウンジカフェの様に生まれ変わった。  僕が入学したての頃は、いや昨年まではこれぞ学食といった、飢えた学生の為の食堂といった感じだった。それが今は、お洒落な女子学生の為の学食カフェといった感じになってしまった。  僕はまだ、前の学食の雰囲気の方が落ち着く。  彼女とはここで良く話をした。僕の出身地は何処だとか、そして今住んでいる処はどこら辺なのかなど。  「あ、そっかぁ。だからあの公園で小説書いていたんだぁ。じゃぁ、ほんとにあの公園から目と鼻の先なんだぁ。いいなぁ」  正確に言えば、小説を書いていたのではなく、チェックしていたんだが、彼女がそう思っているのならそれで良い事にしよう。それより意外だったのが、彼女の家が僕の利用する駅から3つ目のところにあった。それを訊いて、ふと疑問が浮かんだ。どうしてあの時彼女は公園にいたのかと。     
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