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(Alter : Klaus 17 / Gilbert 29)
-- クラウス17歳 ギルベルト29歳 --
悲鳴が聞こえた。
長く尾を引く、悲痛な叫び。
ギルベルトは、読んでいた本を放り出した。
居心地のいい暖炉のある部屋を出、階段を駆け上がる。
悲鳴は、二階の一番奥の部屋から聞こえてくる。
「クラウス!」
ドアを開けると、悲鳴は、一層、大きくなった。
クラウスは、部屋の隅のベッドにいた。
毛布は跳ねのけられていた。
胎児のように体を丸め、がたがた震えている。
ほのかな月明かりの中、目を、しっかりと閉じているのがわかった。
「クラウス……」
ギルベルトは静かに、ベッドに近寄った。
「また、発作が出たか。かわいそうに……」
その肩に、そっと手をかけた。
びくりと、クラウスの体が震えた。
激しい勢いで手が伸び、ギルベルトの手を払いのけようとする。
「クラウス。俺だよ」
耳元でささやく。
クラウスが低く唸った。
悪夢を見ているのだ。
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