1 月あかり

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 そのままそっと、ベッドに寝かそうとする。  少しずつ体を傾け、布団に押し付ける。  頭を枕に乗せ、体を離そうとした。  クラウスの両腕が伸びてきた。  ギルベルトの体に回り、締め付ける。  あっという間に、ギルベルトは、絡めとられた。 「……クラウス」  クラウスは、目をつぶったままだった。  目を閉じたまま、必死の形相をしていた。  全力で、がむしゃらにしがみついてくる。  たまらず、態勢が崩れた。  ギルベルトは、クラウスに引きずり込まれるような形で、その上に覆いかぶさった。  その合間も、クラウスは、両手両足を使って、ギルベルトを拘束してくる。  せっかく止まった震えが、再び、全身を、おこりのようにふるわせていた。  きっとまた、叫びだす。  いつものように。  治まったように見えても、ギルベルトが立ち去ろうとすると、クラウスの発作は、再びぶり返す。  眠ったまま、悪夢との狭間で、激しくギルベルトを求め続ける。 「わかったよ」 耳たぶを噛み、ささやいた。 「今夜は、そばにいてやる」
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