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そのままそっと、ベッドに寝かそうとする。
少しずつ体を傾け、布団に押し付ける。
頭を枕に乗せ、体を離そうとした。
クラウスの両腕が伸びてきた。
ギルベルトの体に回り、締め付ける。
あっという間に、ギルベルトは、絡めとられた。
「……クラウス」
クラウスは、目をつぶったままだった。
目を閉じたまま、必死の形相をしていた。
全力で、がむしゃらにしがみついてくる。
たまらず、態勢が崩れた。
ギルベルトは、クラウスに引きずり込まれるような形で、その上に覆いかぶさった。
その合間も、クラウスは、両手両足を使って、ギルベルトを拘束してくる。
せっかく止まった震えが、再び、全身を、おこりのようにふるわせていた。
きっとまた、叫びだす。
いつものように。
治まったように見えても、ギルベルトが立ち去ろうとすると、クラウスの発作は、再びぶり返す。
眠ったまま、悪夢との狭間で、激しくギルベルトを求め続ける。
「わかったよ」
耳たぶを噛み、ささやいた。
「今夜は、そばにいてやる」
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