1 月あかり

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 強く先端を吸ってから、口を離した。  クラウスの腰の下に両手を差し込み、横向きにさせる。  太もものあたりにまたがり 、再び、前を口に含んだ。  同時に、後ろの割れ目に指を這わせる。  クラウスの背が、大きくのけぞった。  無意識に、ギルベルトから腰を離そうとする。  そうはさせじと、ギルベルトは、両股で、きつく抑え込んだ。 「忘れさせてやるって、言ったろ?」  体を伸ばし、耳元でささやくと、おとなしくなった。  力が抜け、身を任せてくる。  入り口を押した。少し焦らしてから、おもむろに、指を中へ差し入れる。  腰が、大きくしなった。  前も、ほってはおかなかった。  少し俯きかけたそれを、ギルベルトは再び口に含んだ。 「いっ!」 低いうめきが聞こえた。  それがどこか、ギルベルトはちゃんと知っていた。  的確に探り当て、こすりあげると、泣き声が聞こえた。  口の中のものが強度を増し、体全体で悦びを表している。 「やだやだやだ」 夢魔に襲われたように口走っている。  だが、腰は揺れている。  腰を振って、ねだっている。  指よりも、もっと熱いものを。  ギルベルト自身を。  頭がくらくらした。  ギルベルトは、唇を離した。  新鮮な空気を大きく吸い、心を落ち着けた。  てっぺんから吸い上げた。  前と後ろを、夢中になって攻め立てる。 「や、やや、や」  体ごとずり上がり、クラウスは、逃げようとした。  押さえつけ、なおも執拗にねぶりまわす。 「や、や、や、」 間歇的に、すすり泣くような悲鳴が漏れる。 「いけよ」  容赦しなかった。  クラウスの息使いが激しくなる。  ひときわ強く、髪をつかまれた。  泣きながら、クラウスは達した。
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