まあるい風

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思いきり笑ったら、全てが自然になった。 もう混ざりあう温度に胸が鳴ることも気にならなくなった。 「ねえ、クマノミ! クマノミ可愛いねー!あ、あっちにはイルカがいる!」 自分の好きなものを見つけては、繋いだ手を引っ張る。 ガラスの向こうに二人で入れた気がして、楽しそうに泳ぐイルカと一緒に、体が右へ左へと動く。 「ありがとう」 彼に笑いかけると、少し照れ臭そうにしながら大きく頷いてくれた。
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