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「おい、翔真!一緒に帰ろう」
「ああ」
「波留、唯子帰るぞ!」
「うん!」
京平の声に波留も、慌ててカバンを持った。
「ねえ、もうすぐ夏休みだね。京平は今年も海の家のバイトなの?」
波留の問いに、京平は大きくガッツポーズをすると、
「当たり前だろ?絶好の稼ぎ時だぞ」
「私も今年はやろうかな」
唯子の言葉に京平は怪訝な顔をすると、
「絶対だめだ!」
「なんでよ!」
そんなやり取りを見ながら、翔真は波留にこっそりと尋ねた。
「いつもこんな風なの?」
「そうだよ。唯子の家と京平の家は隣なの」
「ふーん。それで京平は柴田さんが好きなんだ?」
驚いたような波留の顔に、京平は「違うの?」と首を傾げた。
「よくわかったね!私もずっとそう思ってるんだけど、本人たちが自覚しないから、話が全然進まないんだよね」
クスクス笑いながら言った波留に、
「ふーん。京平は柴田さんの事が心配でたまらないって顔してるけど」
「そうなの。去年もこのやり取りしてたんだよ。海は水着だしナンパも多いし、京ちゃんは心配で仕方がないんだと思うな」
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