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「今日の分終わり!」
「終わったー」
ゴロンと寝転がって大の字になった京平を見て、みんながクスクスと笑った。
「ほら、寝ころぶと海が目線と同じ高さに見えるぞ」
その声に、三人も寝ころぶと
「本当だね!すごいいい景色だよね。贅沢」
波留の言葉に、翔真も頷いた。
海沿いの丘の上に建つこの家は、大きな平屋で道路からも奥まっており本当に静かだ。
しばらく四人はぼーっとその景色を見ていた。
「ほらほら、若いもんが何を寝てるの?スイカ食べななさい。もらったトウモロコシも」
「はーい」
ゆっくりと起き上がり、スイカやトウモロコシを銘々手に取ると縁側へと座った。
「本当に、良いところだよな。東京の喧騒が嘘みたいだ」
翔真の声に、
「まあ、うちらは一度は都会に憧れるけどね」
唯子の言葉に、波留と京平も頷いた。
「高校をでたら、進学にせよ就職にしても、島を出る人間の方が多いから」
波留の言葉に、
「そうだな。もう少しだよな。ここでこうしているのも」
感慨深くいった京平は「という事で、思う存分今年の夏も遊ぼうぜ」スイカを一気に食べるとニコリと笑った。
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