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「本当にごめんね。片桐君だけ帰れなくて」
申し訳なさそうに言った波留に、
「約束しただろ?起きるまでそばにいるって」
赤面するようなセリフに、
「東京の人は、そういう台詞に慣れているの?」
照れ隠しのように言って、きっと本当に自分の頬は真っ赤だろうと波留は思った。
「え?そんな台詞?」
翔真はそんな意識もしてないようで、キョトンとした表情を向けた。
「ああ、いい!ごめんね!忘れて」
波留は自分の頬を両手でさすると、大きく息を吸った。
「外はすごく暑い?」
少ししてゆっくりと尋ねた波留に、翔真はニコリと笑うと、
「うん、すごく暑い。だから、長沢さんは涼しい所に入れてラッキーだと思ったら。外にいたら茹っちゃうよ」
少しふざけたように言った翔真に、波留もクスクス笑った。
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