On a hot summer day

10/13
前へ
/27ページ
次へ
「本当にごめんね。片桐君だけ帰れなくて」 申し訳なさそうに言った波留に、 「約束しただろ?起きるまでそばにいるって」 赤面するようなセリフに、 「東京の人は、そういう台詞に慣れているの?」 照れ隠しのように言って、きっと本当に自分の頬は真っ赤だろうと波留は思った。 「え?そんな台詞?」 翔真はそんな意識もしてないようで、キョトンとした表情を向けた。 「ああ、いい!ごめんね!忘れて」 波留は自分の頬を両手でさすると、大きく息を吸った。 「外はすごく暑い?」 少ししてゆっくりと尋ねた波留に、翔真はニコリと笑うと、 「うん、すごく暑い。だから、長沢さんは涼しい所に入れてラッキーだと思ったら。外にいたら茹っちゃうよ」 少しふざけたように言った翔真に、波留もクスクス笑った。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加