On a hot summer day

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そうすると、すぐに着信を知らす音が鳴り、波留はゆっくりと携帯に目を向けた。 【片桐 翔真】 の文字を見てすぐに通話ボタンを押していた。 「もしもし」 『もしもし。大丈夫?』 「え……?」 どのことに対して大丈夫かが解らず、波留は聞き返した。 「えーと、うん、いろいろ。家とか、お母さんとか、体調とか」 ゆっくりと考えながら言った片桐の言葉に、波留は「うっ」と言葉を詰まらせた。 「長沢さん?」 心配そうな携帯の向こうの声に、波留は涙が零れるのがわかった。 「うん、大丈夫かわからない。お母さんは今日もいないから」 『そうか。じゃあ体調は?』 「傷はもう大丈夫」 『傷は?』 その言葉に違和感を感じたのだろう、翔真の言葉に波留は話すかを悩んだ。 『また眠れないとか?』 「うん。あんまり。後……動悸って言うの?自分の心臓の音が煩くて気になって……」 少し考えたのであろう、翔真の声がすこし経ってから波留の耳に届いた。 『そっか、慣れない環境だったし、ストレスが溜まったかな?ゆっくりと好きな事をするといいかもね。体が大丈夫ならまた海を見に行こう?』 「うん……行きたい」 素直に言った波留に、翔真は「今日はとりあえずゆっくりして」そういうとお互い電話を切った。
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