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「誰が否定するって言ったの。否定なんてしないよ!」
その言葉で私は動きを止めた。
否定、しないの……?気持ち悪くないの……?
「――は私を好きになってくれたんでしょ?その気持ちを否定したりなんてしないよ。でも、急に好きだなんて言われてもよく分からない。だから、連絡先教えて!」
その手に携帯を持ってそう言う。
先生、それは、期待してもいいんですか?
少しでも可能性があるんですか?
私はこの気持ちを諦めなくてもいいんですか?
また涙が溢れた。先生が慌てるのが分かる。
「ああ、もうほら、泣かないでよ」
「だって……」
「私も恋愛感情とは違うかもしれないけど――のこと好きだし、もっと知りたいと思う。だから、今日が終わって、私が――の先生じゃなくなっても会ってくれる?」
私は泣きながら頷くことしかできなかった。
少し経って私が落ち着くと、先生は言った。
「携帯貸してくれる?」
私は鞄の中から携帯をとりだして、渡す前に言った。
「先生、私は喜んでもいいんですか?」
「うん」
「私、期待しますよ。いいんですか?」
「うん」
「私、本当はクールなんかじゃないですよ」
「うん」
先生は続けた。
「知ってるよ。あれから廊下とかで――を見た時とか、よく笑う子だなって。でもそんなところもいいと想う」
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