ユリの洞察力

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ユリの洞察力

「ふーん、そっか〜」  百合は可愛い顔を近付けて学を覗き込み、うんうんと頷いて向かいの席に座り、耳を赤くして顔を伏せ気味にご飯を食べる学を観察している。 「やっぱ、女性の話題を嫌がるのは本物だよね。お兄ちゃんと違う感じがしたから、宇宙人に体を乗っ取られたかと心配したよ」  冗談のようだが、ノビスターはご飯を喉に詰まらせて慌てて水を飲み、百合はそれを見て含み笑いをしてバスルームへ戻った。 『なんて敏感なんだ?もし難解な質問をされたら……』  ノビスターは百合を要注意人物として警戒し、食事を食べ終えるとキッチンの流しでお皿を洗い、二階へ上がって部屋に向かう。  学のルーティン、生活も真面目で両親から信頼されているが、裏の顔は危険な反政府の革命家である。  本条学を『黄色い鼠・チーム』がターゲットに選んだのは、『霊原理』について興味を持っている事が分かったからだ。『霊原理』とは神川結弦がサイトで度々使っていた言葉で、『霊能ゲーム・イエロー』に関連している。
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