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それともう一つ、本条学が爆弾の作り方を調べ材料を秘密裏に購入した事をチームのハッカーが突き止め、密かに武器を盗み出すミッションを指示されている。
ノビスターはさっきまで部屋の収納棚と押し入れを調べ、整理してモデルガンやプラモデルはゴミ袋に入れて捨てた。
『きっと学は激怒するだろうな』
そんな想像をして部屋に戻り、デスクの上に置いた段ボール箱を開けてガス銃とプラスチック爆弾を見て微笑む。
『これでミッションの半分は成功』
椅子に座ってスマホを手にし、ムササビに連絡しようとした時、階段を駆け上がる音がしてパジャマを着た百合がドアをノックした。
「お兄ちゃん。デザートと飲み物持って来たよ」
「ありがとう」
ノビスターは慌てて爆弾の入った箱を閉め、スマホをポケットに仕舞う。
「部屋の整理したから、お母さん喜んでたよ。趣味のモデルガンと大事にしてたプラモデルも、捨てる気になったんだね?」
「少し趣味を変えようと思ってさ」
「ふーん、意外……」
百合はお茶とケーキを渡してすぐに部屋を出たが、学の視線がチラッと箱に向き、スマホの明かりがポケットから漏れているのに気付く。
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