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霊原理の情報
ノビスターは百合が自分の部屋に入る音を確認してから、スポーツバッグにモデルガンとプラスチック爆弾を入れ、デスクの引き出しの奥に隠したあった時限爆弾の設計図も入れて、ムササビに連絡した。
「予定通り、回収したよ」
「了解。明日、電車内で会おう」
ボクサー井上洋一に擬態したムササビに電話して、明日、大学の帰りに時間を決めて中央線の電車内で会う約束をする。
『霊能ゲームをする前にお互いの携帯電話の番号は調べてあり、ゲーム終了前に履歴は削除する事になっていた』
ケーキを食べてお茶を飲むと、下に降りてリビングでテレビを観ていた両親と軽く世間話をして、明日友人と会うので帰りは遅くなると伝えた。
ノビスターは霊能ゲーム中は対人恐怖症が抑えられ、人とのコンタクトにスリルを感じ、ゲームで自分自身が成長していると感じた。
『不思議な事に擬態されたターゲットにその感覚が伝わり、プレイヤーの感情と一致してレベルアップする』
母親は武器に興味を持つ息子を心配し、モデルガンを捨てた事を喜び、父親は学が祖父の逮捕で小学校の頃いじめられ、短期間だが中学生の時にひきこもったのを気にしていた。
ノビスターは学の母親に玩具は全部捨てたと微笑みかけ、ウイスキーを嗜む父親にハイボールを作って、学に代わって親孝行をする。これも霊能ゲームの役割だと普段から心掛けていた。
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