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翌日、学はJR中央線と地下鉄を乗り継いで東京大学工学部へ行き授業を受けたが、ノビスターの頭脳では東大の講義が理解できる筈がなく、教室の後ろの席で聴き流して早目に休憩室へ行き、『情報屋』と呼ばれる学生を待つ。
学はその生徒に『幸せの黄色い鼠』のサイトを調べさせ、『霊原理』についての情報を集めさせた。
自販機でカップコーヒーを買って飲んでいると、情報屋が現れてベンチの隣に座り、耳元でひそひそと話して重要なヒントを教えてくれた。
「黄色い鼠のこと少しわかったよ」
「サイトは完全に消えた筈だが、追えたのか?」
神川結弦は証拠になるデーターは全て消去し、霊能ゲームのターゲットのリスト名は神川結弦が残したメモを参考にして決めている。
「これが仕事なんでね」
「授業料を稼いでるだけありますね」
「嫌味かよ?」
ノビスターは自販機で一番高いコーヒーを買って、熱くないように万札を入れた封筒をカップに巻いて渡して質問した。
「霊原理について知っている者がいたのか?」
「ああ、荒唐無稽でアホみたいな理論だと思ってたが、その実験に成功した奴がいるらしい」
『霊原理』とは結弦がサイトでよく使ってた言葉で、霊力をエネルギーとして使用すれば、現代の電子機器を利用して簡単にネットワークを作れるという理論だ。
「そいつの名前は?」
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