霊能ゲーム・レイワード

1/3
前へ
/25ページ
次へ

霊能ゲーム・レイワード

 ノビスターは名前をメモして、学がロッカーに隠し持っていた発煙手榴弾2個を鞄に入れ、大学を出て本郷三丁目駅へ行き、駅前で待っていたムササビと少し距離を置いて改札に入り、同じ電車に乗った。  ムササビはボクサー・井上洋一に擬態し、発車寸前で電車に乗り込んだ特能チームに学が聴取され、電車内での格闘になり二人で逃走した。 『今考えると、本条学は要注意人物として特能チームにマークされていたのだろう』  ノビスターは飯田橋のカフェでムササビと別れてから、JR中央線の電車に乗って高円寺へ向かい、吊革につかまって車窓の景色を眺めながら、自分たちが学に興味を持ったように、特能チームも学を追っていたと推測した。 『霊能ゲーム・イエローは単純かつ難解なゲームである。ロールプレイングゲームのリアルバージョンで、プレイヤーは現実世界のキャラクターをコントロールし、冒険、難題、探索、戦闘を乗り越えてミッションをクリアする』  電車に揺られながら、本条学の頭の中でノビスターがゲームインした時の設定を思い返す。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

94人が本棚に入れています
本棚に追加