第三章 『胸を駆け巡る恵風』

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「私、毎年体育祭の練習、好きなんだよねー。勉強よりずっとマシ」 「美知佳は運動好きだもんね」  赤ブロックは一番手前の5段スタンドを使い、生徒達が自分のポジションに着くと、今日も応援合戦のパネルの練習が始まった。  一人ずつ、白、黒、赤、青、黄色を担当し、ドラムのタイミングで上に出す。  五つの色を管理するのは、意外と難しいのだが、間違えると応援団の大きな声が聞こえてくる。 「そこ、違うって!」 「青出てるよ! そこ黄色でしょ!」」  始まってすぐからピリピリしている応援団、それ程、体育祭の応援合戦とは賑わうものなのだ。
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