『プロローグ』

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雅環菜(みやび かんな)~  中学の頃、一つ苦い経験をした。  私は、抱き始めたばかりの淡い恋心を、友達づてに本人に伝えられてしまったのだ。  友達に悪気はなかったのだが、告白は見事に玉砕。 「ごめん、環菜。付き合えないって」  相手は私のことなど、全く、何とも思っていなかった。  最悪だ、恥ずかしい。終わった……。  想い始めたばかりの気持ち、告白なんて考えていなかったし、そういうことをできる度胸、私は持ち合わせていなかった。  ずっと遠くから見ていられたらいいな、と思っていたのに、目を合わせるのさえ気まずくなって、それきり。  卒業時、もう関わることはないんだな、良かった、とさえ思ったくらいだった。
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