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もう、遅いのは分かっている。
でも、再会した今、引き留められずにはいられない。
「俺は今でも、環菜先輩のことが引っかかってて、気にしてますよ」
この気持ちを、いずれは恋だというのかもしれない。
「宿泊訓練行ってる時も、よく考えてました」
無言の環菜先輩は、俺と目を合わせたまま、固まっている。
俺は両手を伸ばすと、環菜先輩の頬を包み込んで、一呼吸おいて。
「俺のこと、また見て下さい」
「……梓君」
「もう一度、環菜先輩と、友達でいいから始めたい」
見つめると、徐々に顔が赤みを帯びて、環菜先輩は俺の手をのけて立ち上がった。
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