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「……帰ろうか」
「環菜先輩、耳まで真っ赤ですよ」
「知らない」
「待って、送ります」
嫌な顔をされても、思っていることは全て伝えられて、ひとまずホッとする。
しかし、環菜先輩は思い出には目を伏せて、自分から話を掘り下げることはなかった。
「会いたかった」
小さな背中に言うと、環菜先輩は両手で耳を塞いで、小走りで公園を出て行く。
可愛いな、と思いながら、俺もすぐに自転車を押して追いかけた。
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