トラブル

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『平野!ヤバいんだ!助けてくれ!』  高校の友人からそんな電話が掛かってきたのは、土曜日の夜…これから夕飯にしようと思っていた時だった。  夕飯と言っても1人だし…コンビニで弁当を買ってくるだけなんだが…  お袋は今日もいない。  近所のスナックに働きに出ている。  親父は俺が幼い頃にいなくなった。  とは言え、別に失踪とかではない。  収入が安定せず、お袋や俺に暴力を振るう親父にとうとう愛想を尽かし、俺が7歳…妹の京子が4歳の時に離婚した。  別にその気になればいつでも会えるし、京子は頻繁に親父と連絡を取っているようだ。  お袋は離婚以来、俺と京子を食わせる為に、女手1つで水商売の世界で働いているので、こんな境遇も文句も言えない。  ま…バイトもしてるし、金はなんとかなっているので、むしろ同級生達より自由にやれている気楽な立場だ。  お袋にしても、元々親父と出会った時からキャバ嬢だったらしいので、夜の仕事も苦にしていない。  性に合っているようだ。 『…何だよ?』  友人の慌てぶりから、ただ事では無さそうだが、どうせロクな話しじゃない。  俺は嫌々返事をした。
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