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だからと言って、親父のようにプロになろうなんて思いは微塵も無く…
よって、あちこちで行われている試合にも、全く参加していなかったし、これからも参加するつもりは【この時点】ではまるで無く…賭け玉で常連さんから小銭を稼げれば充分だと思っていた。
そうして今日もバイトをしていたのだが、もう終わる間際になって、見覚えのある奴が店内に入ってきた。
『いた!アイツだよ!』
昨日の大学生連中であった。
カウンターにいる俺を見るなり、指を差して声を出す。
『昨日の事、忘れてねぇだろうな!?リベンジマッチだ!逃げんなよ!』
ズカズカと…店内に入ってくるなり俺に近付いてきて、今にも殴り掛かってきそうな勢いで怒声を上げる。
『…リベンジって…アンタが?いくらやっても同じだと思うんだけど…』
『何!?』
『言っとくが、今度は勘弁しねえぞ。アンタが負けた時は、キッチリ払って貰うからな。』
そう言って睨み付けると、大学生は少し怯む様子を見せた。
わざわざこっちのホームに乗り込んで来たんだ。
自分らがしたように、多少無茶をされても文句も言えまい。
そう思ったのだが…
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