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『今、駅前のビリヤード場【アベニュー】にいるんだけど、原田と神永が大学生のサークルでやってるって連中にぼられてて!もう7万以上負けてるんだ!身ぐるみ剥がされそうなんだよ!』
やっぱり…そんな事じゃないかと思ったが…
『…お前ら、下手くそなんだから、賭け玉辞めろって言ってるだろ。』
そう注意するが…とは言え、高校生に7万は大金だ。
それに高校生相手に、そんな大金賭けさせる相手にも問題がありそうだ。
仕方ない…
『ちょっと待ってろ。』
俺はそう言って電話を切った。
すぐに部屋からマイキューの入ったケースを持ち出す。
『…お兄ちゃん、また出かけるの?』
多少バタバタ準備していたせいか、部屋で勉強していた妹が声を掛けてきた。
『…ああ。ちょっとな。』
『お母さんいないからって、毎晩毎晩遊び歩いて…』
そんなお説教をされるが…
『バイトの時だってあるだろ。それにちょっとだけだよ。お前は大人しく勉強してろ。』
京子は俺と違い優等生だ。
家族3人、全員だらしないからか、京子だけはしっかりした性格に育っていた。
『お父さんだって心配してるんだからね。ビリヤードなんて教えなきゃ良かったって。』
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