トラブル

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『うっさいな。親父の話しは辞めろ。』 『私、知らないからね。またお母さん、学校に呼び出されるような事しないでよね。』 『うっさいっつーの!ともかく出掛けてくるから!お前は自分の心配だけしてろ!』  京子は来春高校受験だ。  それを心配しての発言だったのだが…  俺のキツイ言い方が気に触ったらしい。 『べ!それこそ余計なお世話です!さて、勉強しよ!お兄ちゃんみたいに落ちこぼれたくないし。』  そう言って舌を出し、再び部屋に戻って行く。  生意気な奴め…昔は可愛かったのに。  そんなやり取りをし、俺はすぐに指定された店に向かった。  20分程で店に辿り着くと、電話をしてきた同級生…滝口が、店の外で俺を待っていた。 『あ!平野!やっと来た!』  俺の姿を見つけると、そう慌てて声を掛けてくる。 『どんな様子?』 『それが!もう負けが10万越えてて!』 『はぁ!?この短時間で3万上乗せって、どんな賭け方してんだよ!?』  言いながら店の様子を覗いてみると、1台のテーブルを4人で囲んで玉を撞いている。  俺の仲間…原田と神永は、既に青い顔だ。  ただでさえ下手なのに、負けている金額の多さに手が縮こまっているように見える。
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