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それをわざわざ【敵地】で、そんな馬鹿な賭け玉をやるとは…
相手にすれば、ホームグランドを荒らされた気分だったのだろう。
周りも味方ばかりなら、そりゃ多少の無茶もする。
『本っ当に!馬鹿ばっかりだ!今回だけだぞ!』
ガラス張りの外壁だったので、外から多少様子を窺ったが、どうやら俺なら勝てそうだ。
仕方なく俺はそう言って、店内に入った。
入った瞬間、店内の人間から俺に視線が注がれる。
『平野!』
原田と神永は、すぐに俺に気付き声を掛けて来た。
『馬鹿たれが!帰るぞ!』
周りのザワツキを無視し、俺は2人に声を掛けた。
『おいおい。誰だか知らんが、何勝手な事言ってやがる。帰るなら負け分払って帰れよ。』
相手の仲間の1人だろう。
周りのギャラリーの中から、そんな声が掛かった。
『…あんたら、高校生相手にこんな真似して、恥ずかしくないの?なんなら警察に通報しても良いんだぜ?お巡りさんの目の前で、負け分払ってやろうか?』
声を掛けて来た相手を指差して答える。
『ふざけんなよ!そもそも散々騒いでやがったから注意したら開き直りやがって、挙げ句【乗っけよう】(賭ける事)って言ってきたの、コイツらだぞ!』
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