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さて、残りの女子は、運動部の子が無理矢理引っ張り出されて試合開始。
相手チームの先攻で、ピッチャーの立ち上がりを突かれて4失点。
その裏、私たちの攻撃。一番バッターは頼み込んで私にしてもらった。
その私のセンター前ヒットを皮切りに、2アウト満塁まで攻め立てたんだけど、あとが
続かずに無得点。
その後、3回表まで終了して0-4で4点のビハインド。
3回裏に2点返したところで、相手ピッチャーがソフト部の高橋さんに交替。
「ズルイよー」の大合唱になったけど、簡単にアウトを取られ、2アウト二塁三塁
になったのが冒頭のシーン。
ここで、また一番バッターの私に打順が回ってきた。
私が勇んでバッターボックスに入ると、審判役の先生が
「はい。それじゃ、授業終了時間だから、この回で終わりね」
と宣言した。
一打同点、ホームランなら逆転サヨナラの場面が出来ちゃった。
「そいつ、ヒット2本打ってっぞ。気ぃつけろ」
相手チームの内野が声を上げる。
失礼ね。『そいつ』じゃなくて、芽菜っていう格好可愛い名前があるんだから。
と声の主を睨み付ける。
プレイ再開、初球はのけ反る程の内角高めのストレート。高橋さん本気だ。
2球目は外角低めのストレート。またも手が出せない。
「タイム」
バッターボックスを外し、バットの握りを確かめつつ、なけなしの頭で考える。
現役ソフト部の高橋さん VS 帰宅部の私。
こりゃ、三球三振取りに来るよね。それに、ソフト部の意地もあるから……。
そう読んで、私はストレート狙いでバッターボックスに入りなおす。
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