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オバケ鏡の前で待っていると、果たして茉菜が現れた。
もう二度と会えないのではないかと思っていたので、茉菜と私は抱き合って再会を喜び
合った。
再会の抱擁のあとで、茉菜が「中を覗いてみて」とオバケ鏡を指さした。
促されるままに、オバケ鏡に頭を入れると暗闇の空間だった。数メートル程先に暗闇が
四角く切り取られた場所があり、その先に向こう側の世界が映っている。
「ここを飛んだの?」振り返って茉菜に尋ねると、
「ううん。トンネルになってるの」と答えた。
試みに暗闇の上下左右を触ってみると、確かに床や壁のように固い部分がある。
オバケ鏡ならぬオバケトンネルだ。
オバケトンネルの中は、真っ暗という点を除けば、いたって快適だ。
暑くも寒くもないし、呼吸もできる。おまけに、オバケトンネルの中では時間が進まぬ
らしい。茉菜の言うのに、一種の精神世界なのではないかとのこと。
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