第七章 異変

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 と、ここで私は大変なことに気が付いた。 「そうだ。高橋さんから、今度の練習試合で助っ人を頼まれていたんだっけ」 「日曜日のこと? 私の方だと明後日になる。それ断るしかないよ」  そんなわけにはいかない。私、出るって約束しちゃってるもの。  それに私自身、最近はソフトの試合を楽しみにしている。 「そっちは今、金曜の夕方でしょ。明日から三連休だし、今から私の代わりなんて簡単に 見つけられないよ」  と食い下がる。 「でも、やっぱり入れ替わりはしない方がいい」 「うちのソフト部弱小でさ、頼み込んで試合を組んで貰ってる状態なの。人数が足りない からキャンセルだなんて、こっちから言えない状況なのよ」  と更に粘ってみる。 「うーん。弱ったな」  どうやら、少し脈ありかも。 「ねえ、お願い。あと一回だけ」 「じゃぁ、本とにあと一回だけだよ。それに、もしも時間がズレたら諦めること。それで いい?」  やった。やっぱり茉菜は頼まれたら断り切れない子なんだよね。  ていうか、私がそうなんだけど。  こうして、ソフトの試合は、入れ替わりをすることで私が出場できることになった。
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